京都府議会新政会 議員活動報告
本会議

 
平成16年12月定例会で、稲荷義晴議員が京都府政の諸課題について代表質問を行いました。
 
 新政会の稲荷義晴でございます。議員団を代表いたしまして、さきに通告いたしておりますとおり、知事並びに関係理事者に質問いたします。
 その前に、お許しをいただきまして一言お見舞いを申し上げます。
 先般、近畿地方を直撃した台風23号は、京都府中・北部に甚大な被害をもたらし、現職警察官を含む15名の方々のとうとい命が失われ、亡くなられました方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、被災されました皆様方には一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げる次第であります。また、去る10月23日発生の新潟県中越地震で被災されました皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
 さて、本府では、既に先般11月15日、臨時府議会を開会し、台風23号関連の災害対策費として、総額約300億円の補正予算案が可決成立されたところであります。そして、現在、山田知事の強力なリーダーシップのもとで、全庁挙げて、京都府中・北部のライフラインを初め、生活基盤の早期復旧・復興に向けての諸事業を鋭意推進いただいておりますことに対し、深甚なる敬意と感謝を申し上げますとともに、私ども新政会は、被災されました方々の一日も早い生活再建と地域経済の再生に引き続き全力を傾注し、取り組むことをお誓い申し上げ、質問に入ります。
 財政問題について
   まずは、財政問題についてであります。
 ことしも残すところ20日余りとなりましたが、例年この時期、国・地方ともに次年度の予算編成作業の最終局面に入りますが、昨年を思い起こしますと、本府の当初予算編成時に、三位一体改革の名のもと、国の財政再建を最優先しての考え方から、唐突に地方交付税の大幅削減が強行され、京都府財政は極端な収支不足を余儀なくされる事態に陥ったことは、私たちの記憶に新しいところであります。
 とりわけ、昨年の三位一体改革は、国庫補助負担金の削減は行われましたものの、それらに見合った税源移譲はおろか、一方的に地方交付税を大幅に削減するといった手法は、間違いなく国から地方への負担の転嫁であって、このことは地方切り捨てと言っても決して過言ではないと考えるのであります。
 ところで、地方公共団体は、昨年の苦い経験の上に立って、全国知事会を中心に地方6団体が、改革案の取りまとめに向けて、単なる数字合わせではなくて、地方の実情やニーズに応じた活用ができる、まさに「生きたお金」の運用を求めて鋭意御尽力をいただきました。地方が提示いたしました3兆2,000億円の廃止案と3兆円の税源移譲に対しましては、先月26日、政府案が示されたところであります。
 しかし、その内容は、私たちが期待しておりました地方の裁量をふやすとはいうものの、詳細は極めて不透明で、地方分権の姿からはまだまだ乖離し、逆に政府は、改革の本質を見失い、省益維持にきゅうきゅうとしていると言わざるを得ないのが現状であります。このまま国が、地方分権改革に背を向けて「財政再建ありき」で暴走すれば、京都府の行財政運営は破綻の事態を回避することは困難をきわめ、財政再建団体への下り坂を一気に転げ落ちることになることもあらかじめ想定しておかなければならないと思うのであります。
 このように、財政環境極めて厳しきときだけに、本府の平成17年度の予算編成では、特に従来の慣行・慣習にとらわれることなく、混沌とした逆境の中にありましても、京都府の未来にしっかりとしたビジョンが示せる足腰の強い予算編成を実現させることが何よりも求められていると存じますが、お聞きをいたしますと、既に次期予算編成に向けまして幾つかの思い切った改革案を思考されているとのことで、特に組織再編時に本格導入されました「地域戦略予算」に加えて、さらに今回は、新たに「発生主義的予算」と「業務プロセス予算」といった名称の耳なれない査定システムも導入されるとのことであります。
 そこで、知事にお尋ねをいたします。今回の新たな予算編成システム導入のねらいは何であるのか、お伺いをいたします。さらにまた、なぜこのような視点からの改革が必要なのか、御所見をお伺いいたします。
 
(知事)  稲荷議員の御質問にお答えいたします。
 稲荷議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして災害復興に係る取り組みに対しまして高い評価をいただき、厚くお礼を申し上げます。
 まず、財政運営についてでありますが、議員御指摘のとおり、一方で国の財政再建のために地方交付税を削減しようとする動きが昨年以来顕在化する中、今後、退職手当の急増、高齢化社会の進展による福祉関係経費の増加等を考えた場合、財政的にはこれからも極めて厳しい状況が考えられます。財政健全化指針による歳出抑制を中心とした財政健全化策は、既に3,000億円を超える成果を上げておりまして、かなり限界に近くなってきましたのも事実であります。国の財政再建がこれからも優先されるならば、全地方公共団体が危機的状況に陥ることは間違いなく、住民生活に与える影響を心から懸念するものであります。
 それだけに、分権時代を見通した府民本位の府庁づくりによって、効果的・効率的な府政を実現し、限られた財源と人材で最大限の行政サービスが提供できる抜本的な体質改善を新たな視点で進め、財政運営の仕組み自体を変革していくことが今求められていると考えております。
 このため、従来の慣行や慣習にとらわれず業務を見直すとともに、長期的視点に立った費用対効果を十分見きわめ、事業開始から終わりまで全体像を踏まえた予算議論を展開することがまず必要であり、翌年度事業費のみを要求した従来の予算要求システムを改め、初期投資額、運営経費、更新経費など、事業の終わりまでの総経費を明らかにし、その経費と事業の実施により得られる効果を比較検証する「発生主義的予算システム」を試みているところであります。
 同時に、事業効果による適否はもとより、執行プロセスを徹底的に見直すことで、効果的・効率的な事業執行を図ることが必要であります。個々の事務事業に係る業務プロセスの点検を行い、例えば、外部委託やITの活用を進めるとともに、公共事業におきましては1.5車線化などによる効率化を図り、事業の執行体制や実施方法の改革を進める「業務プロセス予算」の取り組みを進めているところであります。
 また、住民福祉の向上のために、第一線で努力している市町村との連携を深め、住民のニーズをできる限り現地・現場に即した形でとらえ、京都の持つ資源を生かすため、部局別による縦割りの予算編成だけにとどまらず、今年再編を行い大幅に権限を委譲した広域振興局単位で予算の要望や優先順位を聞き、地域戦略に即した形での施策を予算化しようとすることは、真の分権時代に対応した府政運営のためにもこれからも必要であると考え、こういった財政運営に全力を挙げてまいりたいと考えております。

2

 再編後の広域振興局の運営について
   次に、再編後の広域振興局の運営についてお尋ねいたします。
 本件は、再編後、早くも7カ月を経過いたしましたが、本来この改革の目指すべきものは、府下地方行政機関の効率的運営と組織のスリム化、そして、最終判断を本庁にゆだねてきた二重構造の解消を図り、現地のことは現地で解決する、いわゆる現地・現場主義の理念のもとでの大規模組織改革で、いわば広域自治体の第一線として、各市町村のニーズを的確に把握をしながら、文字どおり広域的な行政執行がいかに展開されているかが厳しく問われていると存じるところであります。
 しかし、ここで軽視してはならないのは、改革の名のもとで「刷新ありき」ではなくて、「温故知新」の格言どおり、古きをたずねて新しきを知ることこそが最も大切ではないかと思料するところであります。
 さらに本府では、今回の組織改革が京都府民一人一人の思いから決して遊離した改革にならないよう、常に府民の目線を最優先させて、全庁挙げての万全の体制を期して推進しなければなりませんが、特に府民生活に最も身近な再編後の広域振興局では、土木事務所、さらには直接的なサービスが求められます保健所等での府民サービスの低下あるいは停滞が生じていないかどうなのか、きめ細かな運営状況の点検を繰り返し行うことこそが真の府民サービスにつながるものと確信する次第であります。
 ところで、昨年6月定例会の代表質問でもお聞きいたしましたが、今なお私自身が理解できていない点がありますので、再びお伺いをいたします。
 まずは、保健所の問題であります。
 そもそも、再編後の3広域振興局では保健所が必ず併設されているにもかかわらず、なぜ亀岡市には併設されなかったのか、また、なぜ必要性がなかったのかであります。私は、今なお、この問題意識を払拭することができないのであります。この点につきましては、まずは知事の御見解をお示し願いたく存じます。
 御承知のとおり、亀岡市の将来的人口フレームでも人口増加は明白であり、必然的に、保健・環境行政、さらには少子・高齢化に対する福祉の充実等、加えて本市には湯の花温泉や飲食業も極めて多く、保健所の必要性は今後ますます高まってくることと考えるのであります。
 そこで、お尋ねいたします。再編前から非常に危惧いたしております保健事業を推進する上で、現在の保健所と管内保健センターなどでの連携・調整及びその運営実態とあわせて、保健事業の推進状況をどのように認識されておられるのか、また、現在、振興局には「総合案内・相談コーナー」が設置されておりますが、府民サービスの再構築に向けてのさらなる改善を加えるべきと考えますが、今後の改善方策につきましてはどのようにお考えか、率直な御見解をお伺いいたします。
 ところで、今回の組織再編で、広域振興局長には本庁部長級が配置され、同時に、知事代理の立場も含め約1,300項目に及びます権限委譲のもとで、現地・現場主義の実を上げるために日夜大変な御尽力をいただいておりますが、私は、ぜひ早急に改善いただきたいところを申し上げたいと存じます。
 それは、再編前までは現場の第一線でさまざまな行政需要とその課題解決に寝食を忘れて御尽力をいただきました、前振興局長の位置づけであります。再編後の役職は、同一管内で副局長として現在は業務遂行をいただいております。当然、役職名のみにこだわるつもりはありませんが、一般的に人心に根差すイメージから考えますと、業務遂行に対する意欲の低下を来すのではないかと危惧している一人であります。
 そこで、お尋ねいたします。私は、「かいかくナビ」で「職員の意識改革」を大きく掲げておられます知事だけに、知事が求めておられます職員の意識改革に向けた職制のあり方や職員配置とはどのようなものなのか、お考えをお伺いいたしたく存じます。
 
(知事)  次に、広域振興局についてでありますが、地域保健法の施行等によりまして、3歳児健診を初め住民に身近なサービスが順次市町村に移管される中、市町村保健センターとの役割分担を踏まえ、保健所につきましては、より広域的、高度かつ専門的な拠点としての機能が求められております。今回の再編に当たりましては、保健所に専門職を集約することにより、専門性の向上や感染症等の緊急時における機動性、即応力の強化を図ったところであります。
 事務所の配置につきましては、保健所が府民に身近な機関でありますので、地域的な人口分布状況、時間距離等による府民の利便性や業務執行の効率性等を総合的に判断し、南丹地域におきましては、園部総合庁舎に南丹保健所を配置したところであります。
 現在、南丹保健所では、亀岡市保健センターとの役割分担も踏まえつつ、必要に応じ、亀岡市の発達相談に保健所の保健師が同席をしたり、お年寄りの転倒予防教室を共同で開催するなど、センターとの連携を図るとともに、亀岡市の要請に応じまして亀岡総合庁舎でこどもクリニックや精神保健福祉相談等への出張対応を行うなど、保健事業の積極的な推進に努めているところであり、今後とも、地元市町村との連携を深め、地域保健の向上を図ってまいりたいと考えております。
 総合案内・相談コーナーにつきましては、各種免許・試験等の申請受け付けや自動車税の納税証明書の発行、医療費の公費負担の給付申請を初め、保健所職員等による出張対応など、1総合庁舎当たり月平均約360件のニーズにおこたえをしているところであります。
 再編実施後7カ月が経過いたしましたけれども、広域振興局体制をより定着させ、再編の効果を十分に発揮させていくためには、広域振興局の運営状況を点検し、課題や問題点の分析・検討が必要と考えておりまして、今後、こうした検証を行う中で、総合案内・相談コーナーにつきましても、必要に応じ改善を図りながら、府民ニーズにしっかりとこたえ、より親切丁寧なサービスの提供に努めてまいりたいと考えております。
 次に、職員の意識改革に向けた職制のあり方や職員配置についてでありますが、本格的な地方分権時代を迎えて、地域の実情を踏まえ、住民ニーズを重視した府民本意の行政を展開していくためには、府民発の行政体制に変革していくことが必要と考えております。このため、まず市町村との共同による行政の推進、地域課題の収拾解決を充実する府政を現地・現場で形づくることが重要と考え、本年9月に1,300以上の権限を委譲し、広域振興局体制をスタートさせたところであります。
 今回の再編は、まさに60余年ぶりとなる大きな組織再編でありまして、各広域振興局には企画総務部と農林商工部を新設するなど、広域行政の展開に必要な組織体制の整備を行ったところであります。そして、まさに今御指摘ありましたように、広域振興局長には本庁の部長を知事代理として位置づけ、配置をしたところでありまして、確かに局長という名は同じであったわけでございますけれども、この広域振興局長をサポートする重要な副局長につきましては、地方機関の運営に精通しました振興局長を数名副局長として配置することによりまして、局の円滑な運営を第一に万全を期したところでありまして、このような再編に伴います経過的な事情を職員もよく理解していただいているところであります。
 今後とも、京都府行政の運営に当たりましては、この広域振興局を軸にした地域密着型行政の確立と経営品質による職員の意識改革を進める中で、職員が責任を持って主体的に課題に対応できるよう、必要な職制の整備や適材適所の職員配置などを行い、府民発の行政の流れを加速させていきたいと考えております。

3

 台風23号での農林業被害への復旧対策と振興について
   このたびの台風23号は、舞鶴市内の日雨量が277ミリと、アメダスによる観測史上最高を記録したことで、由良川流域の平均雨量も昭和28年の水害に次ぐ記録的な豪雨であったとの報道であります。御承知のとおり、この豪雨により、河川がはんらんし、各地でがけ崩れを引き起こし、とうとい人命を奪い、また7,000軒を超える家屋が浸水被害に遭うなどの甚大な被害を及ぼしましたが、同時に、これら地域の農林業への被害もまた例外ではないのであります。
 さきの11月30日時点では、農林水産業関係被害は約224億円にも上り、とりわけ収穫時期を迎えていたブランド京野菜などの農作物被害の10億円を初め、農業関係被害が約102億円で、また林業関係でも被害額は106億円に達するとの御報告がありました。これらの被害は中・北部地域に集中しており、過疎化、高齢化が進む中で農林業を基幹産業の一つとしている地域であるだけに、その影響の甚大さを改めて痛感しているところであります。
 そこで、まず、今回の台風23号によります農林業被害の復旧に向けた現在の取り組み状況と今後の対策について、お尋ねをいたします。
 ところで、災害に関しての早期の復旧は言をまちませんが、私は、それに加え、ふだんから災害や天候不順などの不測の事態にも影響を最小限に食いとめるための地域農業や地域社会をつくることが必要不可欠ではないかと考えるのであります。そこで、私は、この災害をむしろ契機ととらまえながら、安定的な京都府農業の再構築に取り組むべき時期に来ていると確信いたしております。
 
(知事)  次に、台風23号災害に係ります農林業の復興についてでありますが、今回の台風では、猛烈な風雨によりまして多くのパイプハウスが倒壊したのを初め、洪水とともに大量の土砂が水田や畑を覆い、さらには至るところで山の崩壊や風倒木など山林被害を発生させるなど、農林業に多大な被害をもたらしたところであります。特に、農林業はこの地域の基幹的な産業であるだけに、その生産基盤が大きな打撃を受けたことによりまして、これからの地域経済社会に与える影響を大変懸念しているところであります。被災の直後から黙々と復旧作業に取り組んでいただいている農家の方々のためにも、一日も早く経営と産地の回復を図ることが緊急の使命であると考えております。
 既に、二次災害防止のための応急治山対策や農地の復旧に向けた準備作業を進めているところでありますけれども、あわせまして、さきの11月臨時議会で議決いただきました補正予算を活用しながら、パイプハウスの復旧や、黒大豆、小豆の種子確保対策を初め、緊急を要します治山事業や農地の復旧対策の本格的な実施に向けまして、地元市町と連携しながら全力で現在取り組んでいるところであります。
 特に、農地等の生産基盤につきましては、激甚災害の指定により措置される有利な国庫補助を活用しながら、地域の営農計画にも十分配慮いたしまして、効率的な事業実施が図れるよう、農業改良普及センター等の支援活動とも一体的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。

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 地産地消について
   知事は、就任以来、地域住民の食料供給力の向上と地域農業の再構築を目指し、地産地消の取り組みに鋭意御尽力をいただいておりますが、改めて基本的な考え方と今後の推進施策について、御所見をお伺いいたします。
 さらにまた、私も森林・林業活性化議連の一員として一言申し上げたく存じますが、今回は林業におきましても憂慮すべき事態が数多く散見されるのであります。
 そもそも、戦争で荒廃した日本の森林は、昭和28年のあの大水害などの災害を教訓に、治山・治水のかなめとして復旧が進められ、半世紀にもわたって丹精込めて保育し、間伐、伐採、利用と、木材の川上から川下まで循環する流れの中で健全に維持・造成されてきたこれらの森林が、未曾有の豪雨と強風にさらされ、山腹崩壊、さらには風倒木被害など、そのつめ跡を目の当たりにいたしますと、これまで必死の思いで我が子のように手塩にかけて育ててこられた林業者の無念を痛感いたしますとともに、被害を受けた森林がこのまま放置されたならば、保水機能は間違いなく低下し、次はさらに大きな被害を及ぼすことは明白で、一日も早い森林の再生こそが希求されていると思うのであります。
 ところで、先般の林活議連の総会に出席されました府下森林組合長から森林・林業の極めて深刻なお話を伺いましたが、特に府内の平成14年の木材生産量は8万6,000立方メートルで、昭和45年当時と対比いたしますと、今では4分の1にまで減少し、自給率はわずかに18%の状況とのことでありました。さらに深刻なのは、林業労働者は、昭和45年時の3,323人から、今では1,146人にまで激減、また木材価格もピーク時の3分の1にまで低迷するなど、もはや林業者や地域社会の努力だけでは森林を再生することは限界に達し、林業者の意欲低下に歯どめがかからない状況にあるとのことでありました。
 京都府では、既に1万7,500ヘクタールに及ぶ緊急間伐5カ年対策に取り組まれておりますが、これらの森林整備だけではなくて、11月の臨時議会で承認されました台風災害対策も踏まえ、今回の森林整備の方向性と府内産材利活用対策、さらには後継者育成策も含めてどのようにお考えか、御所見をお伺いいたします。
 さらに、今日の事象は一般的には異常気象で処理されがちでありますが、実はそうではないとの視点から考えたとき、今後の新たな林業の再建、農業・農村の活性化に向けての施策展開が極めて重要と考えますが、御見解をお伺いいたします。
 
(知事)  次に、地産地消についてでありますが、このたびの台風被害は、農家への影響にとどまらず、野菜等の価格高騰など消費者にも大きく影響を及ぼしたところであり、改めて安心・安全な食料を安定的に供給する地域農業の役割の大きさを痛感したところであります。地産地消は、生産者と消費者との交流を促進し、顔の見える関係をつくりますことによって、食の安心・安全の確保につながり、あわせて地域農業の振興や農村の活性化、地域環境の保全にも大きな役割を果たすものであります。このため京都府では、地元食材の学校給食での利用促進や朝市等の取り組みに対するハード、ソフト両面からの支援など、地産地消の推進に努めてまいりました。
 今後とも、福祉施設等での地元食材の利用促進や、消費者が農業に触れ合う機会の拡大、産直の取り組み支援など、生産者と消費者の多様な交流と信頼関係づくりに向けて、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、今後の森林整備の方向についてでありますが、今回の台風災害では、十分に手入れの行き届いていない森林や単一の樹種で一斉に造林された人工林で大きな被害を受けたということを、私も目の当たりにいたしました。こういう実態を踏まえまして、今後、災害に強い森林づくりを進めていくことが重要であると考えております。
 京都府では、森林の持つ多面的な機能に着目し、特に地球温暖化防止に積極的に貢献できます森林の整備を重視して、緑の公共事業を推進し、広葉樹の植栽や放置竹林の整備にも取り組んでまいりました。被災森林の復旧に当たりましては、多様な樹種から成る混交林の整備を促進するなど、災害に強く、多面的機能が発揮できる整備を進めてまいりたいと考えております。
 来年2月には、地球温暖化防止に向けました京都議定書がいよいよ発効し、CO2削減の目標実現に向けて各国で本格的な取り組みが進められることになりますけれども、COP3の開催地である京都府といたしまして、CO2削減に欠かすことのできない森林整備に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、府内産木材の利用拡大は、森林の適切な整備や、今申し上げましたCO2の削減を図る上でも重要な課題の一つであると考えておりまして、京都府では、本年度、治山ダムや河川工事等における木材利用目標を定めまして、府の公共事業での木材利用の拡大を図っているところであります。
 さらに、環境貢献度を明示いたします「ウッドマイレージCO2」という指標を用いた府内産木材認証制度を創設し、ことしはまず間伐材での運用を始めることとしたところでありまして、今後、一般用材にも拡大いたしまして、府内産木材の利用促進を図るとともに、府民の環境保全に対します理解を深めていきたいと考えております。
 森林作業の担い手につきましては、高度な技能を持ちました作業班員とあわせまして、森林ボランティアなど多様な担い手の確保が必要と考えており、新規就労者の定着支援、技能研修の実施等により、中核的な担い手の確保・育成に努めますとともに、本年度認定いたしました里山整備マイスター等を活用したボランティアの育成にも努めてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、このたびの災害は、改めて農林業や農山村の持ちます国土や自然環境の保全など、多面的な重要性を提起いたしました。このため、早急な災害復旧はもちろんのこと、地産地消や多様な主体の参加による森林環境を保全していきますモデルフォレストの仕組みづくりを積極的に推進していくなど、災害に強く、府民の安心・安全な生活を守ることのできる社会づくりに取り組んでまいりたいと考えております。

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 教育問題について
   次に、教育問題についてお尋ねいたします。
 まずは、学校における安心・安全の問題でありますが、昨年12月18日、宇治市立宇治小学校に刃物を持った男が侵入し、児童2人が傷つけられるという、まことにショッキングな事件が発生してから、間もなく1年が過ぎ去ろうとしているのであります。本件は、幸いにも児童の命に別状はなく、教員の勇気ある行動によって犯人もその場で取り押さえられ、最悪の事態だけは回避できましたことは、まことにうれしく存じます。
 しかし、一方、1年が経過しますと、事件の記憶が風化するのではないかと危惧しているやさきに、残念なことに、先日、お隣、奈良県の富雄北小学校1年生の児童がまたもや犠牲になるといった痛ましい事件が起こりましたが、今回の事件は帰宅途中での事件だけに、学校だけの取り組みでは到底阻止できるものではなく、これらの事件を府教委は教訓にしながら、学校での日常の安全指導の取り組みの強化に加えて、児童の通学路の安全点検を、保護者、さらにはあらゆる地域組織との連携の中で、きめ細かな対策が急務となってきているのであります。
 また、あわせて希求されるのは、教職員が地域の自治会やPTAの諸行事に積極的に参加をし、学校、地域、家庭との連携・強化のもとでの情報交換を教職員みずからが行うことも極めて重要ではないかと思料するところであります。
 しかし、こうした情報交換や連携体制の実態に目を転じたとき、改めて問題意識を抱くのでありますが、私は現在、地元亀岡市のPTA連合会で役員を務めておりますが、PTA行事に対する教職員の参加実態は、残念ながらここで求めているほど満足できる状況ではなくて、地域行事の参加動向におきましても同様の感が否めないのが実態ではないかと思うのであります。
 そこで、教育長にお伺いいたします。子供たちの命を脅かす凶悪事件の経験を風化させないために、教職員には常に緊張感を持っていただき、これまでの取り組みで十分なのか、あるいは何か不足していることはないのかどうなのかなど、積極的かつ継続的な検証を重ね、その改善に努めていただくことが必要不可欠だと考えますが、本府教育委員会では、これらの連携構築に向けてどのような対策を講じておられるのか、また、その取り組みの進捗状況と今後の取り組み方針について、御所見をお伺いいたします。
 さらに、子供たちの問題行動の防止や健全育成などにかかわって、学校並びに警察との連携についてお尋ねいたします。
 私は、昨年、警察常任委員会の管外調査で沖縄県に参りましたが、その際、学校と警察が連携して生徒の非行防止や健全育成に取り組んでいる実態を大変興味深く調査してまいりました。特に、さまざまに報道される青少年の実態を受け、長年にわたり青少年の犯罪や、その防止、また立ち直りの経過などをつぶさに見てきた警察OBや、生徒の身近で学習や生活面でのきめ細かな指導に携わってきた教員OBを直接学校に配置し、校内外をパトロールしたり、あるいは保護者の相談に乗るなどの活動に成果を上げているとのことでありました。また、希望のある学校に警察官を派遣し、非行防止や犯罪被害の防止等について授業が行われており、本府においても、警察と学校とが連携を強化し、双方が長年蓄積してきたそのノウハウを生かして、生徒の非行防止及び健全育成を図る必要があるとの思いを強くして帰ってきたところであります。
 ここで、ミスターチルドレンというミュージシャンが歌う曲で「たがため」という歌がありますが、この曲の歌詞に、「子供らを被害者に、加害者にもせずに、この街で暮らすため、まず何をすべきだろう。でも、もしも被害者に、加害者になったとき、できることと言えば、涙を流し、まぶたをはらし祈るほかにないのか」。この曲は、昨年、長崎でわずか4歳の幼児がまだ12歳の少年に命を奪われ、沖縄でも中学2年の生徒が同年代の生徒たちによって命を奪われるという、何ともやりきれない事件が立て続けに起こった後に発表された曲であります。いまだ、子供が加害者や被害者になるという多くの痛ましい事件が報道されていることは、まことに悲しい限りであります。
 時代の進展は子供たちにさまざまな影響を与えますが、とりわけ情報メディアの進歩は、バーチャルな世界と現実との境界がいつの間にかわからなくなるなどの影響を子供たちに与えております。また、その中で遊ぶ子供たちの心の中が大人には全く見えなくなってきているのではないかと危惧するのは、私一人ではないと思うのであります。
 こうした中、この10月に文部科学省が最終まとめを行い、「児童生徒の問題行動対策重点プログラム」の中で、警察官を活用した「生徒指導推進員」の配置や、犯罪の防止等を目的とした学習の推進が述べられておりますが、そこで教育長にお伺いをいたします。
 まずは、府教育委員会では、子供たちの命の教育や非行防止など、健全育成にかかわってどのような取り組みをされているのか、御所見をお伺いいたします。あわせて、警察と学校との連携についてどのように考えておられるのか、教育長並びに警察本部長にお伺いいたします。
 
(教育長)  学校の安全対策についてでありますが、現在、府内すべての公立学校では、宇治小の事件の教訓も踏まえ、児童・生徒の安全確保と安全管理を図るため、学校独自の危機管理マニュアルを作成し、防犯教室や防犯訓練などに取り組んでいるところであります。
 児童・生徒の安全確保をより確実なものとするためには、学校での取り組みに加え、PTAや地域社会と連携した登下校時の安全確保が不可欠であると考えており、学校や京都府PTA協議会などに対し、今まで以上に緊密に連携するよう強く求めているところであります。その中で、地域の方々の協力のもと、小学校に安全対策協力員が配置されたり、学校、保護者、地域社会が一体となって「こども110番の家」の登録を呼びかける取り組みなどが新たに実施されておりますが、今後とも、こうした地域社会の協力を得た取り組みが府内全域に広がるよう努めていきたいと考えております。
 そのため、学校における日常的な安全指導の取り組みを保護者や地域社会にお知らせしたり、教員みずからがPTAや地域の行事に積極的に参加して、日ごろから保護者や地域の人との交流に努めるよう指導するとともに、地域社会全体で子供の安心・安全を確保していくため、市町村教育委員会や警察など、関係機関と一層連携を深めてまいりたいと考えております。
 次に、命の大切さの教育についてでありますが、各学校においては、道徳の授業を初め教育活動全体を通して、自分や他人の生命を尊重する教育を推進しているところでありますが、近年の厳しい状況を踏まえ、さらにその充実に努めてまいりたいと考えております。
 また、子供の非行防止や健全育成につきましては、警察を初め関係機関と連携して、例えば、学校、警察、保護司、民生児童委員などで構成するサポートチームを設置し、校区内パトロールを実施したり、学校に警察署員を講師として招き薬物乱用防止教室を開催するなど、子供の健全育成や非行防止に向けた取り組みが行われております。
 府教育委員会といたしましては、議員の御指摘も踏まえ、今後とも、警察と連携した取り組みを一層進めるとともに、学校、家庭、地域社会の連携を強化して、子供の非行防止や健全育成の取り組みがさらに推進されるよう努めてまいりたいと考えております。
 
(警察本部長)  警察と学校との連携につきましては、少年の非行防止と健全育成、さらには少年の被害防止の観点から、重要かつ不可欠なものと認識しております。
 これまでも警察は、学校との緊密な相互連携を図り、京都府教育委員会、市町村教育委員会等との連絡協議会、あるいは小・中・高等学校との学校警察連絡協議会を定期的に開催して、少年問題の総合的な対応や情報交換等に努めておりますほか、児童・生徒が犯罪被害に遭うおそれのある事案の発生時には、教育担当機関等に速報し、あるいは声かけ事案の状況を地図情報としてホームページ上で公開するなど、タイムリーな情報提供に努めているところであります。
 また、各警察署から学校に出向き、非行防止教室の開催、不審者侵入時における模擬訓練等の実施、さらには少年補導委員等の協力を得た登下校時における警戒活動の実施など、児童・生徒の非行防止と保護の両面から各種対策を推進しているところであります。非行防止教室等の開催につきましては、本年10月末現在で、ことしは延べ118回、約2万3,000人に対して実施しております。また、模擬訓練等につきましては、昨年末の宇治小学校児童傷害事件発生時以降、特に活発に行われるようになり、それ以降、幼稚園、小学校を中心に、延べ1,842回実施しております。
 警察といたしましては、昨今の少年を取り巻く諸情勢を勘案し、これまで以上に学校、教育委員会等と緊密な連携を図ってまいりたいと考えております。

6

 地元課題について
   次に、私の地元亀岡市の緊急的課題についてお尋ねをいたします。
 まずは、山田知事におかれましては、地方分権の趣旨とはかけ離れた三位一体改革の渦中で、本府財政を取り巻く環境は極めて厳しき折ではありますが、9万6,000亀岡市民の夢実現に向けまして、2008年完成目途のJR山陰本線複線化事業の着工を初め、駅舎改築、さらには桂川改修事業など精力的に推進いただき、地元市民に成りかわりまして、深甚なる敬意と感謝を申し上げる次第であります。
 懸案でありました新保津橋残り430メートルの延伸計画につきましては、先般の決算総括質疑で私の質問に対しまして、既に山田知事から「平成24年完成目途で平成17年から着工する」との御答弁をいただき、亀岡市民並びに関係者は一日も早いその完成を心待ちにいたしており、今後一層の御尽力を賜りますようお願い申し上げますとともに、国道372号、国道423号の整備促進、さらには京阪神方面への高規格道路の建設、そして府道郷ノ口余部線のJR線立体交差事業の道路整備等、JR関連事業として精力的に推進いただきますよう、まずは要望する次第であります。
 ところで、これらJR複線化に絡みまして取り組まなければならない諸事業は山積しているところでありますが、特に現在、府道王子並河線とJR線が交差いたしております並河踏切の改修、さらにはJR並河駅の大井踏切におきます安全対策が急がれますが、その進捗状況と今後の見通しにつきましてお伺いをいたします。
 
(知事)  次に、府道王子並河線の踏切の安全対策についてでありますが、並河踏切につきましては、幅員が狭く、さらにJR山陰本線と斜めに交差しておりますので、普通車でもすれ違いが困難な状況にあり、交通上危険な箇所となっております。このため、交通の円滑化等を目的に、現在、JR西日本との踏切を含めた拡幅整備につきまして設計協議を進めているところでありまして、山陰本線複線化とあわせまして事業実施が図られるよう、引き続き調整を行ってまいりたいと考えております。
 また、大井踏切につきましては、複線化事業の地元説明会の中で踏切拡幅の要望が出されておりますけれども、並河駅構内の既に複線完了区間でありまして、JR西日本との調整など、今後の検討課題になるというふうに考えております。

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 治安維持について
   次に、警察本部長にお伺いいたします。
 我が国が世界で最も安全な国と言われたのはもはや昔話で、今日的な社会背景は、都市化が進み、地域の監視機能も薄れ、さらにはインターネットの急速な拡大によります犯罪のハイテク化など、私たち自身も治安に対する認識が安全から不安へ大きく変化しつつあることは、否めない事実であります。
 このように、犯罪をめぐります社会環境が大きく変貌する中で、京都府警察におきましては常に260万京都府民の安心・安全の確保に御尽力いただき、深甚なる敬意と感謝を申し上げる次第であります。
 ところで、私は、時代がどう変わろうとも、これらの犯罪を水際で防ぐためには、今もなお治安維持の最前線の拠点で、しかも住民生活にとりましても最も身近な存在でもあります交番・駐在所の整備・充実が極めて重要と考えるのであります。まずは、警察本部長の基本的な御見解をお伺いいたします。
 また、あわせて、現状、国・京都府の財政事情からしますと、大幅な警察官の増員あるいは交番の新設も難しい現状から、この際、警察署の再編整備とあわせて、交番・駐在所も、より効果・効率的な配置を思考すべき時期と考えます。
 そこで、お尋ねをいたします。私がこの本会議場で幾度となく質問いたしておりますJR並河駅前に治安維持の拠点施設整備の必要性について、警察本部長に率直な御見解をお伺いいたします。
 
(警察本部長)  次に、交番・駐在所の整備充実・強化についてであります。
 交番・駐在所につきましては、議員御指摘のとおり、警察と地域住民との最も身近な接点であり、地域社会における安全・安心の核として、その機能の充実・強化が必要であると考えておりますが、御案内のとおり、交番・駐在所につきましては、事件・事故への対応強化の問題、空き交番の問題、地域とのつながりの希薄化の問題等があります。このため、現在、警察署等の再編整備の中で交番・駐在所の再編・配置の見直しにつきましても検討しているところでありますが、その中で、空き状態になりにくく、事件・事故に強い、体制の充実した交番の設置、元学区や自治会等、地域の活動単位を分断しない交番・駐在所の所管区の設定、駐在型交番や交番所長を配置した交番の設置などを行い、機能の充実した交番・駐在所の整備を図ってまいりたいと考えております。
 次に、JR並河駅前への交番の新設であります。
 現在、JR並河駅前につきましては、亀岡警察署の千代川交番が受け持っておりますが、同駅前への交番の新設につきましては、千代川交番管内の事件・事故等の発生状況、周辺の交番・駐在所との関係、さらには、同駅前の防犯活動センターを拠点として住民の皆様が自主的な防犯活動を大変熱心に推進されているということも踏まえ、先ほども述べました機能の充実した交番の整備の観点から、千代川交番の移転も含め、総合的に検討してまいりたいと考えております。

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