京都府議会新政会 議員活動報告
本会議

 
平成17年2月定例会で、上田秀男議員が京都府政の諸課題について代表質問を行いました。
 

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 冒頭の発言
   新政会議員団の上田秀男でございます。議員団を代表いたしまして、さきに通告しております事項について、山田知事初め関係理事者に御質問いたしますので、よろしくお願い申し上げます。
 議長のお許しをいただきまして、一言申し上げたいと思います。
 昨年は我が国におきましては、28年災害以来の未曾有の台風23号による災害、さらには新潟県中越地方の地震、そして海外におきましてはスマトラ島沖巨大地震と大津波の発生など、大災害の年となりました。ここに改めまして、亡くなられた皆様方に心から哀悼の意を表しますとともに、罹災されました皆様方を初め、今も現地で復旧に努力をされている皆さんに心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興を御祈念申し上げます。
 このような状況の中で、山田府政は災害対策について、府民生活の安全確保を最優先に取り組まれ、「住宅の再建なくして地域の再建なし」との理念のもとで、罹災された住宅の再建を図るために国の制度を超越した積極的な支援策として「地域再建被災者等支援補助金」などに取り組まれ、罹災者に大きな再建意欲を与えていただき、高く評価をするものであります。
 府財政はまことに厳しい状況にありますが、災害対策は住民の福祉の向上を図る地方自治体の責務としての最優先課題であり、激甚災害地における防災対策に万全を期していただきたくお願いを申し上げますとともに、本年度のさまざまな災害の教訓を今後の安全・安心な府政の推進に生かされますようお願いを申し上げながら、質問に入ります。

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 府政の推進について
   まず最初は、府政の推進についてであります。
 平成17年度当初予算案は、平成16年度当初予算と大きく異なり、時代の要請にこたえる多くの重点施策から編成されている点を重視しなくてはなりません。山田知事は、予算編成に当たり、「安心・安全づくり」「人・地域づくり」「活力づくり」「交流基盤づくり」の4つの重点施策を挙げ、防災や産業、教育分野に特に重点を置かれておるわけであります。
 そこで、時代の要請と府民ニーズに対応した予算として基本的な観点から数点についてお尋ねをいたします。
 まず初めに、今回の当初予算におきましては、厳しい財政状況の中、台風23号災害など災害復旧・防災対策を初め、鳥インフルエンザなど食の安心・安全、府民生活の安心・安全に重点的に取り組まれますとともに、さきに我が新政会が予算要請いたしましたさまざまな事項に取り組んでいただき、その内容について高く評価をするものであります。
 ところで、三位一体改革の全体像が決まって最初の予算編成となりました。昨年11月26日、今後2年間の三位一体改革の全体像が政府・与党によってまとめられました。国庫補助負担金改革は、税源移譲が伴う補助金削減額が2兆4,000億円にとどまり、その内容も地方6団体が作成をいたしました当初案とは大きく異なるものとなり、義務教育や生活保護など重要事項は先送りにされたところであります。また、地方交付税につきましても、最終的に前年度並みの交付税総額が維持されることとなりましたが、昨年度のように地方交付税等2兆9,000億円、12%も削減される事態は避けられたところでありますが、一層の緊縮財政が不可避となる中で、予算の透明化と重点化が求められることとなりました。
 自主財源でございます府税収入は1991年度のピーク時に比べて1,000億円も減少し、歳入における割合も30%を割り込み、職員の人件費すら賄えない状況にあります。将来、単年度収支で500億円近い収支不足が予想される中で、本年度予算においては、異例の企業会計からの借り入れという事態になっております。削減型改革が限界に達している状況の中で、中長期経営改革方針の策定が課題となっております。
 新年度を間近に控え、経営改革プランの肉づけがされているところであろうかと思いますけれども、その基本的な考え方について改めてお伺いをいたします。
 また、ことしは地方振興局再編後、初の予算編成となりました。地方振興局等は、広域性・専門性を有し、地域の戦略づくりなど地域政策の企画立案や、市町村に対する広域的な支援機能を備えた広域振興局として新たに生まれ変わったのであります。基礎的自治体であります市町村と一層の連携を図り、現地・現場主義の考え方のもとで地域に根差した地方行政の展開が求められております。
 さらに、平成17年度は市町村合併が促進される状況にありまして、新市町建設を支援し、連携・協調した広域振興局の役割が必要であると考えます。そのためには、広域振興局ごとに今回予算化されました「地域戦略推進費」が地域に根差した事業を展開する基礎となることが必要であり、また、この予算を核として広域振興局の地域へのかかわりがさらに必要となってくるのであります。広域振興局が2年目を迎えるに当たり、地域戦略推進費の執行も含め、今後の広域振興局のあり方についてどのようなお考えなのかをお伺いをいたします。
 来年度は、山田府政1期目の最後のいわゆる総仕上げの年でありますが、今回の予算に込められた知事の思いをお聞かせいただきたいと存じます。
 
(知事)  上田秀男議員の御質問にお答えいたします。
 上田秀男議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、平成17年度当初予算や災害対策に対しまして高い評価をいただき、厚くお礼を申し上げます。
 まず、経営改革プランの基本的な考え方についてでありますが、財政健全化指針による歳出抑制を中心とした財政健全化策は既に3,000億円を超える大きな成果を上げてまいりましたが、平成16年度の地方交付税等の唐突な削減により京都府でも300億円も減収になるなど、新たな大幅な収支不足が発生したところであります。御指摘のように、今年度は昨年のような大幅な削減は避けられましたが、そもそも発射台は依然として低いままに抑えられたままでございますし、今後国の財政状況を考えれば一層の削減が行われるということはまず間違いがないというふうに考えております。
 こうした財政環境におきましては、シーリングに代表される従来の抑制型財政運営では府民サービスの一律の切り下げという事態を招くだけであり、今後、住民サービスをさらに維持向上させるためには、より府民の皆様との協働関係を重視した自立型の地域経営的感覚を持った府政運営へ体質改善を求めていく必要があると思っております。したがって、新しいプランでは経営という概念を鮮明に打ち出し、地域の潜在的な力を施策によって最大限引き出せるような施策方向の見直しを行うとともに、内部につきましても、組織・業務プロセスの見直しと行政マネジメントサイクルの導入等によりまして、効果的・効率的な行政経営体制の確立等を図ることにより、将来の財政見通しを見据えた適切な財政運営を行い、持続可能型の財政運営に変革をしていきたいと考えております。
 具体的には次の7つの視点による経営改革に向けた取り組み方策の策定に取り組んでいるところでありまして、1つは、府民目線に立脚して施策を見直し、集中と選択により効果的な行政を行うこと、それから、施策の執行に当たりましても、事後評価を徹底いたしまして、コストと成果を意識した事業手法の展開を図る、それから、府民サービスが府民本意のものとなるよう、府民・民間企業・市町村との役割分担と協働を基調に置いた公共サービスへの転換を図る、これが施策の見直しになります。次に、そのようなサービスを提供できる主体としての行政組織をつくり上げるために、もう一度組織のあり方を利用者本位の効果的・効率的なものになっているか見直して、その上で借金であります府債のコントロール等将来の財政見通しを見据えた適切な財政運営に配意していくということでございます。さらに、攻めの財政運営を行うために、産業政策の推進等による税源涵養と課税自主権の活用、市町村と共同した課税体制の再構築など、府政にとどまらず効果的な地域づくりを図ることとしております。今議会の会期内に具体的な案をお示ししまして、御意見を伺いたいというふうに考えております。
 私は、知事就任以来、府政の現地・現場からの目線、府民目線による府政の推進を基本として府政の改革に取り組んでまいりました。この間、府議会の御指導をいただきながら、今ある課題に対しまして正面から対応するために、アクションプラン等により、具体的な施策を府民との協働による透明な行政過程により成果を出すべく全力を挙げて取り組んでまいりました。今回の当初予算を編成するに当たりましても、この視点を変えることなく、現下の大きな課題であります災害対策に全力を傾注するとともに、これまでの施策につきましても、4年間を通じて具体的かつ着実な歩みが実感できるように、いま一度施策の点検を行い、それぞれの施策がお互いに連携する中でより効果的なものになるよう意を用いたところであります。例えば融資制度につきましても、あんしん借換融資から小規模企業のおうえん融資を行いまして、さらに政策ベンチャーのためのベンチャー創造型のファンドを創設して、ことしは再生型の融資をつくっていくというような、常に4年間を通して効果のあるようなものに配意をしてきたつもりであります。
 行政は常に継続と発展のための改革をバランスよく配置すべきだと考えておりまして、私は今回の予算を通じまして、荒巻前知事が築かれた府政の継承発展、改革という当初の目的を達成し、私の目標といたします「人・間中心」の京都府づくりを目指して編成をしたところであります。この予算の執行を通じまして、府民が未来への希望を抱ける京都府社会の礎を築くため、ことしも全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、広域振興局についてでありますが、地方分権の進展に伴い府民の皆様や市町村の抱える身近な課題も複雑・多様化してきておりまして、こうした課題に対処するためには、市町村をしっかり支えていくことのできる、できる限り地域に密着した視点からの京都府の行政を展開していくことが今求められていると思います。このために、地域機関である広域振興局が権限と責任を持って市町村や地域の皆様方の要望をしっかりと把握して戦略的に地域行政を実施できますよう、市町村やNPOなど地元の皆様方の参画もいただきまして、地域戦略会議での議論を踏まえ、各広域振興局ごとに今年度末を目途に「地域振興計画」を策定しているところでございます。
 平成17年度当初予算の編成に当たりましては、今回新たに広域振興局長との知事査定の場を設けまして、その意見を直接聞く中で、地域の実情や課題を踏まえた各局で策定中の今申し上げました地域振興計画に基づく地域づくりの積極的な展開を図るための事業、例えば「宇治茶の郷づくり」ですとか、「きらりと光る南丹・広域観光の推進」など、今までの予算では余りなかった地域を前面に出しました事業を、しかも広域振興局が直接実施するという「地域戦略推進費」を今回お願いをしているところでございます。
 広域再編をして本年5月で2年目を広域振興局は迎えますが、来年度はこうした地域振興計画の具体化に向かってスタートを切ることによって、より一層地域に密着した府民視点の行政を開始できるものと期待をしているところでありまして、今後、各振興局におきましては、ソフト府政経費であります地域戦略推進費を核に、さらに本庁各部局の事業との連携・調整を図るとともに、市町村未来づくり交付金などの市町村支援策も効果的に活用することによりまして、地域振興計画に基づいた地域行政の総合的かつ戦略的な展開を図ってまいりたいと考えております。まだことしから始めたばかりでございまして、正直申し上げて軌道に乗るにはもう少し時間がかかるかもしれませんけれども、今後とも広域振興局を軸にいたしました施策展開を積極的に進めることにより、今まで本庁主体の行政システムを地域視点を踏まえた均衡のあるものにかえまして、府民の皆様、そして市町村の期待にこたえられる京都府行政を展開してまいりたいと考えております。

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 京都議定書の発効について
   次に、京都議定書の発効についてであります。
 ソメイヨシノの開花が50年で5日早まり、大阪湾に熱帯魚が出現したり、温暖化の兆候は身近な自然に既にあらわれ始めており、昨年の猛暑や局地的な集中的豪雨も温暖化による気候変動との関係が疑われており、今世紀末には世界の平均気温が、90年に比べて1.4〜5.8度上昇することが予想をされております。
 このような状況の中で、態度不鮮明のまま周囲をじりじりさせてきましたロシアがようやく批准に踏み切り、京都議定書が2月16日に発効し、歴史的な一歩を踏み出したのであります。二酸化炭素削減など地球温暖化を防止する国際的な取り組みは新たな段階に至りましたが、難問も山積しているようであります。
 京都議定書は1997年に京都で開催されました気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)で採択され、2008年から12年時点で先進国が削減すべき二酸化炭素、メタンなど温室効果ガスの量や排出量取引などの仕組み「京都メカニズム」を決めたのであります。ところが、世界最大の排出国である米国が01年に「非現実的な削減義務は米国経済にマイナス」として議定書から一方的に離脱し、せっかくの国際協調による環境対策に水を差し、現在に至っておるのであります。しかし、EUや日本などが米国抜きでも推進しようと努力し、削減のルールを決めるなど米国の独善的な単独行動主義に一矢を報い、ロシアの批准で議定書が発効したのであります。
 米国は京都議定書からは離脱をしておりますが、締約国であるため、発言権を維持し、第10回締約国会議で議論するはずだった京都議定書以降、2013年以降の取り組みについて、米国の強行な反対で明確な方向を決めることができず、米国に次ぐ第2の排出国・中国は、京都議定書の発効を歓迎する態度を表明しておりますけれども、当分は途上国として削減義務を負わない特権を維持する構えであります。
 日本政府は京都議定書の発効で、地球温暖化対策推進大綱を京都議定書目標達成計画として具体策を見直す作業を始めているようであります。
 日本は、議定書で6%の削減義務を負っておりますが、90年の基準年比で03年は逆に8%増加しているようであります。したがって、08年にはこれを合計した14%の削減を実現しなければなりません。ところが、情けないことに、削減対象の中身で政府内は完全な分裂状態でございまして、環境省や農林水産省は石油・石炭など化石燃料の流通・使用に課税する環境税導入を主張いたしております。この目的は、石油など化石燃料の消費の抑制をねらいとした直接的効果とその財源による二酸化炭素(CO2)を吸収する森林対策などの間接的効果を期待しておるのであります。CO2削減で最も期待されておりますのは森林吸収分の3.9%でありますが、これはすべての森林を適切に管理した場合のことでありまして、実際は杉を中心とした人工林1,160万ヘクタールのうち3割が間伐や育成ができていないようでございます。林野庁は「理想をかなえるには年間2,000億円足りない」と見ております。しかし、経団連など産業界がこの環境税には「絶対反対」であり、経済産業省もこれに同調している現状にあります。
 EU各国は早くから環境税を導入し、温室効果ガス削減や新エネルギーの育成に実績を上げておりまして、排出量取引市場を発足させました。一定規模以上の企業・事業所に排出削減枠を課し、義務量より削減すれば市場で売ることができ、超えれば市場で買うか罰金を払うなど、一歩も二歩も進んでいる状況にあるようであります。我が国もEUに見習って、温暖化防止の先頭に立つぐらいの気構えがほしいものであります。
 そこで、お尋ねいたします。
 府民一人一人の行動によりまして、地球温暖化に歯どめをかけることが必要であります。森林税の導入やバイオエネルギー等の新エネルギーの一層の普及など、今後の先駆けとなる温暖化対策に京都議定書採択の地として早急に取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
(知事)  次に、地球温暖化対策についてでありますが、去る16日の京都議定書の発効によりまして、国はCO2削減に向けて法的な義務を負ったわけであり、それだけに地域においてもより一層具体的な取り組みを進めていくことが必要であると考えております。
 京都府では、COP3以降、京都議定書採択の地として全国の先駆けとなるようなさまざまな温暖化対策に積極的に取り組んできたところでありまして、化石燃料を用いない新エネルギーの普及につきましても取り組んでまいりました。当時西日本最大級の太鼓山風力発電所の設置や、住民参加型の自然エネルギー導入支援に取り組むとともに、昨年度からは京都エコエネルギープロジェクトとして、風力や太陽光にバイオガスなどを組み合わせ、電力を安定供給する世界最先端の技術開発を国や市町村と連携しながら進めているところであります。来年度も、新たに府民参加のエコエネルギーによります地域づくり、「風のプロジェクト」をスタートさせたいと考えておりますけれども、これは風が強い日本海沿岸部の自然条件を生かしまして、住宅や公共施設における風力発電施設の導入支援、さらには府民や広く全国からの出資を募って風力発電施設を運営し、環境保全意識の高揚やエコマネーの活用による地域の活性化につなげていこうとするものでございまして、新エネルギーの先駆け的な取り組みになると考えております。
 また、二酸化炭素の吸収源として重要な役割を果たす森林を適切に保全するため、緑の公共事業を通じて森林の整備にも努めておりまして、厳しい財政状況の中にあっても年々充実を図ってきたところであります。さらに、森林の適正な管理を促進するためには、府内産木材の利用拡大も大切な課題でありまして、公共事業における積極的な利用を図るとともに、ウッドマイレージCO2認証制度を創設し、京都議定書発効日には認証木材の出荷も始まったところであります。今後の森林整備に当たりましては、府民の皆様に森林の果たす公益的な機能の重要性に対する理解を深めていただき、さまざまな形で森林保全の取り組みに参加していただくことが重要と考えておりまして、このための財源対策も含め、どのような手法が最も効果的であるか、国における環境税の動向も見きわめながら、府民の皆様とともに森林整備のあり方について幅広く検討してまいりたいと考えております。
 これまでの取り組みの成果も踏まえ、今後とも京都議定書の誕生の地として誇りを持ち、地域の自然条件や特色を生かした先進的・先導的な取り組みを積極的に推進してまいりたいと考えております。

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 森林災害の復旧について
   次に、森林災害の復旧についてお尋ねをいたします。
 府中北部では、台風23号により極めて広範囲に杉、ヒノキに風倒木災害が発生し、さらに追い打ちをかけるがごとく、近年にない年末からの湿った大雪で折損被害が多発をしました。戦後の荒廃した山河の復興のために、先達が大変な努力で傾斜地に杉やヒノキを植林し、下刈りや枝打ち、間伐など長期間にわたり丹精込めて保育しました森林が、一夜にして延々と根こそぎ倒れ、さらに雪害を受けたのであります。
 私は和知町・美山町を初め管内の森林災害の現地を見てきましたが、本当に筆舌に尽くしがたい悲惨な状況にございます。特に、大規模な風倒木や土砂の流出等によりまして町道・農道・林道・用水路の農山村の重要な施設を破壊し、あるいはふさぎ、集落に大きなダメージを与えているのであります。これを復旧するためには相当な労力と資金を要することでありまして、個人的な復旧作業は至難であります。しかし、復旧しないとその地域の生産活動が不可能となるのでありまして、極めて困惑いたしており、災害復旧支援がぜひとも必要になるのであります。
 近年、木材価格は輸入木材に押され暴落し、林業経営は極めて深刻な状況にあり、途方に暮れております。地域によりましては、緊急的に集落農林業者が相寄り、徐々にではありますけれども復旧作業に取りかかっておりますが、ことしは例年になく大雪に見舞われておりまして、そのまま放置されているのが大半の現状であります。風倒木や雪による折損木は、建築用には役立たず、ほうっておきますと土砂崩れから国土の崩壊となり、さらには集中豪雨により土砂崩れや大量の流木となり河川に流入し、はんらんの要因となり、大災害につながってくるのであります。この森林の惨状は、戦後の林野行政が限度を超えて杉、ヒノキを植林し、自然を改変し人工林化したことに大きな問題点があり、今まさに山が悲鳴を上げてきたのではないかと思うのであります。
 国の補償制度の激甚災害法と森林法はいずれも、被害木の伐採・搬出、造林と作業路開設などが補助対象とされておりますが、被害木そのものに対する補償はなく、さらに伐採などの補助と植林は一体のものとして植林し直さなければ補助が実行されないのであります。災害現場の現状から見て、後継者不在の中で植林することは不可能に近く、今回の被災を機に経営を放棄する山主も出るものと見られております。
 そこで、お尋ねいたします。
 昨年の台風23号と年末からの降雪による倒木被害や雪折れ災害の状況と損害額について、なお、この被害状況や損害額は積雪などで調査不能の地域もありまして、被害はさらにふえるものと見られますけれども、お尋ねをいたしておきたいと思います。
 さらに、災害復旧対策と、「山を荒れさせないためにも緊急支援がぜひとも必要」と関係者は訴えておりますが、関連予算対策についてお尋ねをいたします。
 なお、重ねて申し上げますが、国の補償制度の激甚災害法と森林法はいずれも植林が条件となっているようであります。被害木の伐採・搬出だけでも補助対象とならないものか、また植林するとしても広葉樹との複層林にするとか、さらには被害地や周辺の森林の植生調査、あるいは林分調査などを行い、少なくとも林地に合った処方による対策を講じて、今次災害の教訓を生かした対策をとるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
(知事)  次に、森林災害の復旧についてでありますが、台風23号の被害につきまして私も現地を見まして改めて大規模な風倒木の実情に触れ、2次災害への危惧というものを感じたところであります。このたびは京都を代表する北山杉が雪害を受け、森林の有する災害防止など多面的な機能の低下が懸念されることから、府民生活の安心・安全を守るためにも早期の復旧に全力で取り組んでいきたいと考えております。
 この間の被害状況につきましては、台風による風倒木は府中部から北部にかけて20市町にまたがる広い範囲で発生し、面積にして520ヘクタール、被害額は11億7,000万円に達し、また雪害につきましては京都市北部から府中部にかけての6市町において北山杉を中心に71ヘクタールで幹が折れるなど、7億4,000万円の被害を受けたところであります。
 風倒木被害の復旧対策につきましては、激甚災害法に基づく森林災害復旧事業などの既存の制度に府の独自措置も加えまして、17年度末には約120ヘクタールの復旧を目指して、今議会に予算をお願いしているところであります。
 なお、人家の裏など特に緊急を要する被害地につきましては、府が直営で除去事業を実施しておりまして、年度内に完了する見込みとなっております。また、復旧事業の実施に際しましては、森林の多面的機能を維持・向上させるため、植林による早期の回復が必要であると考えており、その際には広葉樹の植栽により混交林化を積極的に進めるなど、災害に強い森林づくりを促進してまいりたいと考えております。
 雪害対策につきましても、造林事業など既存事業を効果的に活用するとともに、どのような復旧支援ができるか、実情をもう一度踏まえ、さらに検討してまいりたいと考えており、御指摘の点も踏まえながら京都の環境を守る山の保全に全力を挙げてまいりたいと考えております。

5

 教育改革について
   次に、教育改革についてであります。
 今日、問題点になっております「総合学習」「学校週5日制」について、その導入の経過などを踏まえ、本府における教育改革のあり方について教育長にお尋ねをいたします。  
 今日まで、教育改革を具体化しようとしている理由は、大きな時代の変化がきているからだと言われてまいりました。現在は高度な工業化社会であり、国際化社会、情報化社会であります。インターネットを通じて、一人一人が直接世界とつながり、個人の力量が問われる時代であります。
 このように基本的な社会的構造が変わる中で、学校のあり方自体が改めて問われ、教育改革が進められてまいりました。1つは、基礎学力の向上であり、知識の量だけよりも知識の質を問う形での基礎学力の向上が大きな課題でありました。2つ目は、社会規範の遵守あるいは社会性の育成に関する問題、道徳といった価値に関する問題であったと思います。また、学校は知識を授けますけれども、社会は知恵をはぐくむわけであり、この知識と知恵のバランスを取り戻そうというのが学校週5日制の本来のねらいであったはずであります。学校、家庭、地域社会にはそれぞれ役割があり、学校だけで教育ができるものではございませんし、学校、家庭、地域社会がもう一度役割を見直して、それぞれのあるべき姿を考え取り組もうとしたのであります。
 平成14年度に導入されました学習指導要領では、「ゆとり」と「充実」の考え方が生きております。それは、基礎・基本の徹底と、みずから学び、みずから考える力、詰め込み教育や単なる暗記ではない本物の学力を求めていこうという考え方であります。そのため、今の学習指導要領では、授業方法や教育のあり方が変わってきたのであります。その1つは、一律に教える考え方から、共通に学ぶことと個に応じて学ぶことの両面での取り組みに変わってきております。この具体例が、選択教科の導入、習熟度別学習の展開であります。2つ目は、一斉授業を中心とした指導方法から、一斉授業だけではなくて、多様な学習方法・指導方法の採用でありまして、この具体例が、ティーム・ティーチング、グループ学習、個別学習の導入であります。3つ目が、知識中心主義から、知識を大切にしながらも、あわせて体験・実感を重視しようとする考え方であります。これが、まさしく総合的な学習の時間であります。
 総合的な学習の時間に対しましては、さまざまな意見があるようでありますけれども、本当の学力は、教科の縦割りだけではなくて、教科で培われた基礎・基本を使って、より知の総合化、総合的な力を身につける必要があるわけであります。そして、総合化された力が、再度、各教科の学習内容を深めるというサイクルができれば、子供たちに本物の学力が身につくのであります。何が本当の学力で、何が問題なのかについては、学びからの逃避、学ぶ意欲の低下、まさにここが本当の問題であるわけであります。これは、豊かで便利な社会の中で起きてきた問題であろうと思いますが、そういう中で子供たちに、自分の生活実感、生活体験の中から興味・関心・疑問を持ち、得られた知識が本物になり、さらにそれを使って次に挑戦していく、そういうことを求めていかなければならない時代になってきております。
 平成8年の中央教育審議会で初めて「生きる力」という言葉が出てまいりました。基礎・基本の徹底と、みずから学び、みずから考える力、美しいものに感動したり、思いやりのある心、正義感を持つ心、そしてそれを支える体力と健康、実際に社会に出て子供たちが直面する問題を乗り越える力を身につける必要があるという発想のもとで「生きる力」という言葉が出されたのであります。ちょうどそのころ、ユネスコが国際教育委員会でこれからの学習で何が大切かという議論の中で、4つの学びが大切であるというレポートを出されたと聞き及んでおります。それは、1つに、知ることを学ぶ、2つに、なすことを学ぶ、3つに、他者とともに生きることを学ぶ、4つに、人間として生きていくことを学ぶ、まさしく日本でいう「生きる力」であります。
 そこで、教育長にお尋ねをいたします。
 平成13年に策定されました「京の子ども、夢・未来プラン21−京都府の教育改革−」、私はこれを高く評価しておりますけれども、教育改革の一層の推進や教育のさらなる充実を目指して、時代の進展等を踏まえ今般見直しを行われましたが、その改正内容と今後の取り組みについてお尋ねをいたします。
 また、今回の予算案には、全中学1年生英語・数学少人数教育実施費として約1億円が計上をされておりますが、「財政状況が厳しくとも、教育には積極的に取り組む」という知事並びに教育委員会の姿勢を高く評価するものであります。
 この上は、共産党が主張を繰り返す画一的な少人数学級の押しつけではなくて、学校現場や子供たちの状況に合わせた柔軟な少人数教育がより一層充実するよう努めていただきたいと考えますが、全中学1年生英語・数学少人数教育実施費の目指すところや実際の運用について、教育長の御所見をお聞かせください。
 

(教育長)

 上田秀男議員の御質問にお答えいたします。
 「京の子ども、夢・未来」プラン21についてでありますが、議員御指摘のとおり、変化の激しい社会の中で教育も大きな転換期を迎えておりますが、平成13年に10年間を見通して、京都府の教育改革を総合的に進めるための指針として「京の子ども、夢・未来」プラン21を策定いたしました。その後4年近くが経過する中で、時代の進展、子供や学校を取り巻く環境の変化などを踏まえ、このたび見直しを行ったところであります。
 その主な内容は、学力の充実・向上と個性や能力の伸長を図る教育の推進を4つの柱の基本として位置づけるとともに、「まなび教育推進プラン」の中で施策化した「子どものための京都式少人数教育」や府立高校改革の推進、昨年3月に策定した「子どもの読書活動推進計画」やスポーツ振興計画の推進、また来年度から本格実施する学校評価、来年度全校で試行する教職員評価制度、さらに中央教育審議会の中間報告を踏まえた特別支援教育の推進などを新たに盛り込み、充実を図ったところであります。今後は、改訂したプラン21に基づく京都府の教育改革について、市町村教育委員会や学校、PTAなど、教育関係者の共通理解を図るとともに、府民の皆さんの理解を得るための啓発にも努めながら、京都府の教育のさらなる推進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、中学1年生の英数少人数教育についてでありますが、この授業は、まなび教育推進プランの検討を踏まえ、小学校から中学校への円滑な接続を図るために、来年度新たに、中学1年生の30人を超えるすべての学級で、初めて学ぶ教科でつまずきが生じやすい英語と学習内容が高度化し学力差がつきやすい数学において、生徒の状況に応じたきめ細かな指導を充実するため、市町村教育委員会や学校の判断で、少人数授業やティーム・ティーチングを柔軟に実施できるようにするものであります。この取り組みにより、英語では小グループでの発音や会話などの指導を充実し、積極的に学習する意欲や態度を身につけたり、数学では習熟度程度に応じたグループ編成により基礎学力を確実に身につけさせたいと考えております。実施に当たっては市町村教育委員会と十分連携し、学力の充実・向上を図るとともに、生徒が学校への帰属意識を高め、不登校や問題行動の防止にも効果を上げるよう努めてまいりたいと考えております。

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 地元課題について
   最後に、地元課題についてであります。
 1つは、市町村合併についてであります。
 地方分権時代におきます地方自治体の行財政基盤の強化を目指した平成の大合併が進んでおります。北桑田郡2町・船井郡6町の市町村合併につきましても、既に御承知のとおり、京北町は、今回あってはならない、まことに残念な事件が発生いたしましたが、本年4月1日に京都市へ編入合併することが決定し、丹波町・瑞穂町・和知町の3町合併は1月24日に合併協定が調印され、2月末までに各町の合併議決に向けた取り組みが進められております。そして、知事申請などの手続を得て、本年10月11日に「京丹波町」が発足する予定となっております。
 園部町・八木町・日吉町・美山町の4町合併につきましては、合併協議会ですべての協議項目について合意をされましたが、美山町で議会解散運動が展開され、その動向にもよりますけれども、平成18年1月1日に「南丹市」の誕生が予定されております。
 今日まで府におきましては、合併重点支援地域に御指定を賜り、御指導と御支援いただきましたことに、心から感謝とお礼を申し上げます。
 現在、美山町におきましては、住民投票条例の制定を求める議会議決を否決したことに端を発して、議会解散請求による住民投票にまで進展し、この2月27日に住民にその賛否を問うことになっております。この美山町におきます事態は、合併を行おうとする他の3町に与える影響が極めて大きいものがあります。今後円滑な合併を進めるために、合併支援につきましては「新たな市町建設計画」にのっとり、新市町の建設支援と新市町施策との緊密な連携を図り、一体性の確立や、安心・安全のまちづくりの整備に資するための事業に積極的な御支援が必要と考えますが、今後の地方主権時代におきます市町村のあり方、市町村合併の基本的な見解も含めて、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、道路交通網の整備促進についてであります。
 府財政まことに厳しい中ではありますが、既に要請いたしております日吉丹波線の改修整備は進展いたしておりません。特に、本年の積雪の中、私も車で運行いたしましたけれども、事故車もあり、まことに危険な状況にあります。早急に改修すべきと思いますが、現在の進捗状況と今後の整備計画についてお尋ねをいたします。
 なお、中部広域圏の振興発展には、山陰本線複線化の促進、京都縦貫自動車道等の道路交通網整備が喫緊の課題であります。京都縦貫自動車道丹波−綾部間の進捗状況と今後の建設計画をお尋ねいたしますとともに、昨年の台風23号によりまして、畑川下流域で洪水によりまして家屋災害が発生をいたしました。治水利水の観点から畑川ダムの早期建設について要望してまいりましたが、現在の進捗状況と今後の建設計画をお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。
 御清聴まことにありがとうございました。
 
(知事)  次に、市町村合併についてでありますが、現在の地方制度が確立されてから半世紀以上が経過する間、地域におきましては、少子・高齢化の進展や住民ニーズの複雑・多様化など社会情勢も大きく変化しておりますし、また住民福祉を中心に多くの権限が市町村に委譲されてきており、市町村がこうした状況に的確に対応していくためには、行財政基盤の確立や住民福祉サービスの専門的かつ効果的な対応体制の確立など、多くの課題解決を、財源の厳しい状況において今求められているところであります。そして、その解決に当たっては、地域の実態を最もよく知る住民と市町村が直接向き合い、十分な情報公開のもと解決策を模索していくことが必要であり、住民の結論を踏まえ、都道府県が支援し、さらに国がそれを補完していくという、住民起点の行政システムに転換していくことが地方行政、地方分権の時代に今求められていると思っております。
 議員御指摘の合併も市町村の自立に向けた真摯な努力の一つであり、合併に当たりましては地域の考え方を重視し、特に合併のメリットであります基盤の強化と専門性の充実がスムーズに達成されるよう配慮するとともに、デメリットと言われます、広域化することによるきめ細かな地域行政が後退するのではという懸念に対し、京都府といたしましても新市町建設計画に基づく自立的なまちづくり事業に対し、未来づくり交付金等によりきめ細かく支援していくとともに、広域振興局においても地域の個性を生かした活性化の取り組みを全面的に支援していきたいと考えておりまして、今後とも市町村を支える府政の展開に全力を挙げてまいりたいと考えております。
 次に、道路整備等についてでありますが、京都縦貫自動車道の丹波綾部道路につきましては、和知−綾部安国寺間約7.7キロメートルにおきまして、平成19年度の供用開始を目指し、舗装や設備を除く本体工事の発注がすべて完了いたしました。これに続く丹波−和知間約19キロメートルのうち、丹波−瑞穂間約8キロメートルにおきましては瑞穂町域のほぼ全域で用地面積を確定する測量が完了し、丹波町域におきましても6地区のうち4地区で用地幅ぐいが設置されるなど、平成17年度から用地取得の促進に努めることとしております。また瑞穂−和知間約11キロメートルにおきましては、予備設計の成果に基づきまして、関係機関との協議が進められているところでありまして、京都府といたしましても、京都縦貫自動車道の全線早期完成を図るため、府の土地開発公社による事業用地の先行取得など、沿線市町との連携を図りながら全力を挙げて支援をしてまいりたいと考えております。
 府道日吉丹波線につきましては、延長約7.4キロメートルのうち約3.7キロメートルが改良済みでありまして、残る未改良区間約3.7キロメートルのうち、幅員も狭くカーブが連続しております丹波町内約1.4キロメートルの区間におきまして測量・設計を終え、今年度用地取得に着手したところであり、事業を引き続き促進してまいりたいと考えております。
 また、畑川ダムにつきましては、工事用道路やつけかえ道路の工事を鋭意進めているところであり、あわせて地元丹波町の協力も得て引き続き用地取得に努めているところであります。昨年の台風23号により、ダムの下流、黒瀬地区でも人家浸水被害を受けたことから、先般、改めて畑川ダムの早期完成の強い要望がなされたところであり、環境に配慮しつつ、さらにコスト縮減を図りながら事業の推進に努めてまいりたいと考えております。

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