京都府議会新政会 議員活動報告
本会議

 
平成17年12月定例会で、上田秀男議員が京都府政の諸課題について代表質問を行いました。
 

1

 冒頭の発言
   新政会議員団の上田秀男でございます。議員団を代表いたしまして、さきに通告いたしておりますとおり、知事並びに関係理事者に質問いたします。どうぞ、京都府の将来を見据えての積極的な御答弁をお願い申し上げます。
 議長のお許しをいただきまして、一言御礼とお願いを申し上げたいと思います。
 私の地元では、10月11日、府下で2番目の合併の町として、旧丹波町・瑞穂町・和知町が合併いたしまして「京丹波町」が誕生いたしました。山田知事初め関係者の皆さん方の今日までの御指導に深く敬意を表したいと存じます。
 また、去る11月20日には、京丹波町長選、さらには町議会議員選挙が執行されまして、初代町長として松原茂樹町長が誕生し、「丹波高原につつまれ、人の交流・連携で築くぬくもりと躍動のあるまち」の建設が始まりました。さらに来年1月1日には、園部町・八木町・日吉町・美山町が合併し「南丹市」が誕生することから、京都中部広域圏は新たな行政が展開されようといたしております。合併市町の前途には、分権型社会におきます新たな行政システム確立や行財政改革と住民福祉の向上など、さまざまな課題に直面をいたしております。私は、さきの2月定例府議会における代表質問や決算特別委員会における総括質疑におきまして、市町合併に伴う府の支援策について山田知事にお願いをしてまいりました。知事には、合併することにより地域行政が後退することのないようにきめ細かな支援をすると、決意をいただいたところであります。
 さらに、新町まちづくり計画におきましては、畑川ダムは災害対策の治水、水源対策の利水、さらには河川環境の保全の観点から重要な施策として位置づけられておりますので、地元議員といたしまして、その建設促進を強く要望しておきます。
 今後とも、知事初め関係理事者、議員各位並びに府民の皆さん方には、京丹波町、南丹市の発展に格別の御指導、御鞭撻、御支援を賜りますように心からお願いを申し上げます。
 それでは、質問に入ります。

2
 平成18年度当初予算の編成について
   初めに、平成18年度当初予算の編成についてお伺いをいたします。
 まず、本府の財政状況についてでありますが、我が国の景気が緩やかな回復基調にあると言われるものの、府内の状況に目を転じますと、中小零細企業を取り巻く経済環境は依然として厳しく、府税収入の大幅な伸びは期待できない状況にあります。その一方で、少子・高齢化社会の進行や環境問題の深刻化など、さまざまな行政課題に対峙するための財政負担は、年々確実に増加傾向にあります。さらに加えて、今後、団塊の世代の大量退職に伴い、退職手当が急増していくことを考え合わせますと、本府の財政運営は引き続き厳しいかじ取りを強いられることが予想されます。
 このような状況のもと、本府におきましては、平成11年に策定された財政健全化指針に基づき、これまで職員定数の削減を初めとする徹底した内部改革や施策の見直し等の行財政改革を積極的に進めてこられました。その結果、計画期間内に指針の目標を上回ります677億円の財政健全化を達成されたところでありまして、山田知事のその行政手腕を高く評価いたしますとともに、深く敬意を表するものであります。
 しかしながら、長引く税収の低迷や国による厳しい地方財政抑制策の実施など、健全化指針策定当時には想定し得なかった事情によりまして、今日の本府財政は極めて厳しい状況に直面をいたしております。
 こうした中で、山田知事におかれましては、本年3月、行財政改革への新たな道筋を示す「京都府経営改革プラン」を策定され、さらに、去る11月28日に「府民サービスを守るための経営改革プラン」として2つのプランが発表されました。その1つは、全国初の「人件費総額キャップ制度」を導入し、義務的経費であります人件費についてあらかじめ設定した上限額以内に抑制をしようとするものでありまして、2つ目には、実質プライマリーバランスの黒字の維持と府債残高の抑制措置であります。これらのプランは、これまでの健全化方策を改め、限られた資源を有効に生かして、府民に最大のサービスを還元するという経営的視点に立って、効果的・効率的な行政経営体制の確立を目指すものであり、高く評価をするものであります。今後、このプランに基づく行財政体質の抜本的な構造改革に全力を傾注していただくことを強く願うものであります。
 さて、先般、来年度の当初予算編成に向けた予算編成方針が示されました。これによりますと、来春に知事選挙を控えていることもあり、当初予算は骨格的予算として編成されることとなっております。しかしながら、災害対策や治安対策といった直面する待ったなしの緊急課題はもとより、府民福祉の維持・向上に必要な行政サービスは、一刻の停滞も許されないのでありまして、骨格的とはいうものの、限られた財源を最大限に活用し、「『人・間中心』の京都づくり5つのビジョン」や各種アクションプランに示された府政の重要課題には積極的に対応していくことが必要ではないかと考えるものであります。
 このような状況におきまして、先日、我が新政会は、来年度の予算編成に関し、厳しい財政状況のもとではありますが、中小企業の経営再建、少子・高齢化対策の推進、地球温暖化問題への対応、教育施策の充実など、189項目にわたる要望書を山田知事に提出いたしました。いずれも府政の重要諸課題であり、積極的に対応され、適切な対策を講じていただくことを強くお願い申し上げておきます。
 そこで、お尋ねいたします。来年度の当初予算編成につきましては、既存事業の抜本的な見直しにより事業の重点化を図り、真に府民が必要とする施策に財源を効率的に配分することが必要と考えますが、こうした点を含めて、今後の予算編成作業にどのように取り組まれるのか、山田知事の御所見をお伺いいたします。
 
(知事)  上田秀男議員の御質問にお答えいたします。
 上田秀男議員におかれましては、ただいまは私の行財政改革の取り組みに対しまして高い評価をいただきまして、厚くお礼を申し上げます。
 今後は、今回発表いたしました2つのプログラムに基づきまして、府の財政上最大の義務的な固定経費であります給与費と公債費を計画的にコントロールしていくとともに、簡素で効果的な府政運営に努め、その中で府民サービスの維持・向上に努めていきたいというふうに考えております。
 まず、来年度の予算編成についてでありますが、これは繰り返し申し上げているとおり、来春は知事選挙を控えておりますので、骨格的予算となることにつきましては御理解をいただきたいというふうに思います。しかしながら、御指摘のように、防災対策などの緊急対策や、さらに教育関係の費用のように年度当初からきちっと措置をしていかなければならないものにつきましては、私ども十分に取り組んでいかなければなりませんし、特に「経営改革プラン」に基づきます行財政体質の改革に資するような取り組みというのは待ったなしであると思っております。既存の事業につきましては、先ほど申し上げましたように、府民にとってどういう形でサービスを展開すれば一番いいのか、本当に価値を生み出しているのか、そういった観点からしっかりと事業を検証いたしまして、その上で、中期ビジョンに掲げた5つのビジョンが実現できるよう施策体系の再構築を図っていきたいと思います。また、府民サービスに直接関係しない部門等につきましては、IT等を最大限に利用して徹底的な見直しを行ってまいりたいというふうに考えております。
 今回の予算はいろいろな制約はあるのですけれども、ただ、それとともに、私どもやはり府民を支えるセーフティーネットの役割を期待されている地方公共団体といたしまして、中小企業の経営再建、少子・高齢化対策の推進、地球温暖化問題への対応、教育施策の充実など、府民の抱えられている多くの課題に対しまして、私は府民発・府民参画・府民協働という考え方を基本に、「人・間中心」をテーマに、できる限り積極的にこたえる予算づくりに取り組んでまいりたいと考えております。

3

 農林業の担い手問題について
   次に、農林業の担い手問題についてお伺いいたします。
 まず、農業は、食糧の安定供給はもとより、国土や自然環境の保全、景観の形成など多面的な機能を有しており、これらの機能を十分に発揮していくためには、農業の持続的な発展と、その基盤である農村の振興を図る必要があり、農業・農村の現状を見るとき、地域農業を今後どうやって支えていくのかが大きな課題となっております。
 京都府では、中山間地域が大部分を占め、経営規模が零細な農家が多く、こうした農家の人たちにより農業・農村が支えられております。私の地元におきましても、大規模農家は少なく、会社勤めをしている兼業農家や定年退職者などが稲作で水田を守り、女性や高齢者などがみず菜や黒大豆、紫ずきんなどの生産に取り組んでおります。また、若い新規就農者やUターンで地域に帰り野菜生産などに頑張っている例もあり、こうした多様な担い手の人たちを大切にしていくことが地域の農業を守っていくことにつながるのではないかと考えるのであります。
 しかしながら、国におきましては、ことし3月に、今後の農政の基本的な方向性を示した「新たな食料・農業・農村基本計画」を策定し、さらにこの10月には、この計画を具体化するものとして「品目横断的経営安定対策」が示され、従来の幅広い農業者に対する支援から、規模の大きな認定農業者や農業生産法人化を目指し、経理の一元化を行うなどの一定の要件を満たす集落営農組織への支援に対象が絞られたところであります。この施策は、兼業農家や女性・高齢者など、これまで京都府農業を支えてきた農業者が支援の対象からほとんど外れ、地域農業・農村の維持・発展に大きな課題を生ずるのではないかと危惧するものであります。中山間地農業は、大規模化が難しく、圃場条件も悪く水稲単作を余儀なくされ、経営が困難となり、加えて高齢化の進行により、離農へとつながるのであります。
 そこで、お尋ねいたします。国が進めようとする「品目横断的経営安定対策」は、京都府農業にどのような影響を与えることになるのか、また、このような大規模農家を対象とした国の施策のもとで、地域農業・農村を維持・発展させていくため、今後、京都府としてどのように担い手対策を進めていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 続いて、林業の担い手対策についてお伺いいたします。
 府域の75%を占める森林は、木材生産という経済的機能にとどまらず、水を蓄え、清らかな川の流れをつくり、災害の発生や地球の温暖化を防止するなど、安心・安全な府民生活を支える貴重な財産であります。しかし、かつては住宅や農業用資材として、また、家庭の燃料などとして人々の生活と深くかかわり、多くの人々の手で守られてきた京都府内の森林も、生活様式の変化や木材価格の低迷などから人とのつながりが希薄化し、放置される森林が増加しているところであります。本年2月には「京都議定書」が発効し、二酸化炭素の吸収源として森林の果たす役割が以前にも増して重要になってきており、放置された森林や里山を森林所有者や木材関係者だけでなく、より多くの府民とともに守り、生かし、健全な形で次世代に引き継いでいくことが重要であると考えているところであります。
 このような中で、京都府におかれましては、本年10月に「京都府豊かな緑を守る条例」が制定され、府民や企業参加による森林の利用と保全の取り組みを推進することとされたところであり、まさに時宜を得たものとして高く評価をいたしております。既に府内各地でボランティアを初め企業や地域の住民の方々などが森林整備に取り組む事例も出てきているところですが、私は、府民参加による森林整備の取り組みを一層推進していくこととあわせて、災害にも強く、多面的な機能を発揮する森林をつくっていくためには、木材の伐採など熟練した技術も必要となることから、森林施業に関する高度な技術を有する担い手を確保・育成していくことも重要であると考えているところであります。
 しかしながら、府内の森林組合などの事業体に雇用されている林業労働者は、平成元年の約2,000人から平成15年には約1,100人まで減少し、60歳以上の高齢者が半数を占める状況にあるなど、森林施業に必要な技術が次の世代にしっかりと引き継がれていくのか、不安を抱いているところでございます。さらに、林業を取り巻く収益性の低下等の厳しい状況に対応するためには、高性能林業機械の導入による生産性の向上と、労働強度の軽減を図る必要があり、効率的な作業システムの開発、オペレーターの養成等が必要でございます。
 そこで、京都府におかれましては、高度な技術を有する人材の確保・育成と林業機械化やオペレーターの養成等について、これまでどのような取り組みを進められてきたのか。また、今後の人材の確保・育成や林業機械化等にどのように取り組みをされようとしているのか、お尋ねをいたします。よろしくお願い申し上げます。
 
(知事)  次に、品目横断的経営安定対策についてでありますが、国におきましては、農業の持続的な発展や望ましい農業構造の確立を図るため、従来の品目ごとの価格に着目をして講じてきた対策を見直しまして、一定規模以上の水田または畑作経営を行う担い手に対象を絞った対策に転換することといたしております。この対策は、経営全体に着目したとはいうものの、実態といたしましては、米・麦・大豆を中心に生産を行います比較的大規模な経営を対象とするものでありまして、経営規模の零細な農家が多く、京野菜や黒大豆・小豆などさまざまな作物が生産されている京都府の農業の現状から見れば、必ずしも地域農業の振興につながるものとは考えられません。
 このため、国に対して、米生産等に大きな役割を果たしている農作業受託組織を制度の対象に加えることや、黒大豆・小豆などを対象品目に加えることを強く要望してまいりましたところ、今回公表されました大綱では、一定要件を満たす農作業受託組織も施策対象とされたこと、経営規模要件が知事の申請によりまして緩和される特例が設けられたことなど、一定の配慮がなされたところであります。しかしながら、依然として麦・大豆につきましては、京都の多くの農家がこの対策の対象から外れるため、米とあわせ、麦・大豆につきましても、私どもできるだけ農作業受託組織への生産の集約を進め、実質的に国の支援措置が受けられる農家をふやすことにより、影響を最小限にとどめるという対策、そして、農家の所得の確保を目指し、京野菜とともに京都の特産として市場評価が高い黒大豆や小豆などの導入促進を地域の条件や特性を考慮しながら進めることにより、農家の所得維持を図っていく対策ということをまず講じてまいりたいというふうに思っております。また、米につきましては、現行制度からすぐに大きく変わるとは必ずしもなっておりませんで、対象から外れる小規模農家につきましては、生産調整に参加することで引き続き米政策改革推進対策において助成されることになってはおりますけれども、まだその詳細が明らかになっていないため、私どもは助成水準を維持するよう国に強く働きかけることにしております。
 また、今後の担い手対策についてでありますが、農業従事者の減少や高齢化が一層進む中で、京都府の農業の維持・発展のためには、やはり多様な担い手の確保を図ることが重要であると考えております。このため、地域農業をリードする認定農業者や新規就農者の確保に全力を尽くすこと、農作業受託組織の設立や経営の多角化、法人化による経営体質の強化を行うこと、女性や高齢者、さらにはセカンドライフで農村での豊かな生活を目指す方々の農業への参加を促進していくこと、こういった積極的な施策を進めることによりまして、多様な担い手が相互に支え合い、連携して地域農業や農村の維持・発展を目指す仕組みづくりを引き続き推進してまいりたいと考えております。
 次に、林業の担い手対策についてでありますが、木材生産にとどまらず、環境保全や防災機能の維持・強化等を図る上でも森林の適切な管理が重要となっているものの、木材価格の低迷等による林業の採算性の悪化に伴い仕事が減少する中、林業労働者も減少し、高齢化が急速に進行しつつあります。このため京都府では、計画的な間伐を推進するとともに、平成14年度からは環境面を重視し、荒廃が懸念されます人工林や放置された里山などの整備を進めます「緑の公共事業」を展開いたしまして、こうした森林作業を通じ、新たな雇用の確保も図ってきたところであります。特に若い林業労働者の安定的確保を図るために、京都府林業労働支援センターが実施します就業相談や新規就業者に対する実地研修につきましては積極的な支援を行い、最近3年間では151名の新規参入者を確保したところであります。しかしながら、人工林の間伐や保育作業の大部分を担っている森林組合では、依然として林業労働者が不足し、今後さらに高齢者の離職の増加を考えれば、この数字では十分とは言えませんので、このため、ハローワークや林業関係の高校、大学とも連携を強めながら、引き続き新規就業者の確保に努めていきたいと考えております。
 また、あわせて林業の労働環境の改善も必要でありますので、さらに作業の効率化とコストダウンを図るためにも、高性能林業機械の導入も課題の一つと考えております。京都府といたしましても、伐採した後の搬出作業を中心に高性能林業機械の導入助成を行っておりますし、また、オペレーターの育成研修などの支援を行ってきたところでありますけれども、今後、「緑の公共事業」による安定した事業量の確保や作業道などの基盤整備等により効果的にそうした高性能の林業機械の導入・活用が図られるよう努めていきたいと考えております。
 また、林業労働者の皆さんにつきましては、これからさまざまな、例えばボランティア団体とかNPOとかの中核として、指導的な役割として林業の推進に尽力をしていただく大きな役割を持っているというふうに思いますので、そうした面からも、林業労働者を対象といたしました研修カリキュラムの充実も図ってまいりたいと考えております。

4

 教育問題について
   大変ありがとうございました。
 財政の健全化につきましては、やはり分権時代の自主・自立府政の確立につきましては、当然緊急に改善いたさなくてはなりませんし、経営改革プランの実現というのは待ったなしの状況であろうと思います。強く要望しておきたいと思います。
 さらに、農林業の担い手対策につきましては、今知事からさまざまな取り組みについて例示をいただきました。厚く感謝申し上げたいと思います。
 しかしながら、この品目横断的経営安定対策はもう既に待ったなしの状況になっておりますので、あすの農山村をしっかりと守るためにも、さらに自然環境や国土保全のためにも、京都府の総力を挙げた取り組みをさらに要望しておきたいと思います。
 時間がありませんので、次に移ります。
 次に、教育問題についてお伺いいたします。
 「知の世紀」と呼ばれます21世紀を迎え、間もなく6年が過ぎようといたしております。私は地元の教育委員会在任中におきまして、教育委員会のあり方、さらには義務教育におきます学校・家庭・地域社会の連携のあり方など、さまざまな課題や対策について議論し、「町づくりは人づくり、人づくりは教育にあり」との信念のもとに教育行政に取り組んでまいりました。本来であれば、国際的な競争時代を見据え、しっかりとした方針のもとに、将来の日本を託せる人づくりが着実に進められているはずであります。しかしながら、現実は、国際的な学力低下の実態を突きつけられ、「ゆとり教育」と銘打った国の教育改革方針そのものが大きく揺らぎ、抜本的見直しを迫られたことは御承知のとおりであります。
 そうした中、去る10月26日、約8カ月間に及ぶ集中的な審議を経て、「新しい時代の義務教育を創造する」と題した中央教育審議会の答申がまとめられました。「国づくり」の根幹であります「人づくり」のあり方について、真剣な議論を重ねた結果がどのようなものなのか、どういった方向性が示されるのか、私は大きな関心を持って、期待を持って答申を読ませていただきました。しかしながら、三位一体改革に伴い、義務教育費国庫負担制度の議論に精力が注がれたという背景は理解しながらも、正直申し上げまして、残念ながら日本の将来を見据えた真の教育改革の到来を予感することはできなかったのであります。この場で多くを語りはいたしませんが、教員養成、免許制度の改革や教職員人事権の市町村への委譲など新たな内容が含まれてはいるものの、総合的な学習の時間や学校週5日制など平成14年度から導入された教育改革の基本的な部分は、これまでの文部科学省の主張の延長線上から踏み出すこともなく、総じて、改めて中央教育審議会の答申としてお聞きするまでもないようなことが大半であると感じた次第であります。
 この答申を読み終えたときに、私は地方主体の義務教育改革の必要性を強く感じたのであります。それは、答申の第II部の各論において述べている義務教育の改革策に、京都府が進めております施策が数多く取り上げられていたからであります。時間の関係もありましてすべてを申し上げることはできませんが、例えば子供たちの学習の理解度を把握する学力調査の実施については、本府では既に平成3年度から実施をされております。また、高い指導力のある教員の処遇につきましては、去る6月定例会において、我が会派の稲荷義晴議員の代表質問に対し、教育長から「卓越した指導力のある教員については、新たな職を設置するなどの処遇を検討したい」との答弁をいただきました。さらには、学校の判断で、実情に合わせた指導形態・指導方法とするための仕組みは、本府における「京都式少人数教育」の追認そのものと言えましょう。
 私が申し上げたいのは、今回の答申は、義務教育改革の主体が既に国から地方に移っていることを物語っているということなのであります。今回の答申を受けて、今後、文部科学省においてさまざまな改革が検討されると思いますが、府教育委員会では本年9月に「義務教育に係る政策研究会」を設置され、京都府の義務教育のあり方について検討を始められたと承知をいたしております。まさに時宜を得たものと高く評価をいたしますとともに、京都ならではの義務教育改革を期待するところでございます。
 そこで、教育長にお尋ねいたします。現在の本府における義務教育の課題や今後の義務教育改革に向けた御所見をお伺いいたします。よろしくお願い申し上げます。
 
(教育長)

 上田秀男議員の御質問にお答えいたします。
 本府における義務教育についてでありますが、子供たちが変化の激しい社会を心豊かにたくましく生き抜いていくための基盤となる力を育成することが義務教育に課せられた責務であると考えておりまして、府教育委員会といたしましては、市町村と学校がその主体性を発揮して教育の質を高めていけるように支援し、府全体として教育水準を向上させることが重要であると考えております。
 さきの中央教育審議会の答申では、国が目指す義務教育の構造改革におきまして、地方の裁量と自由度の拡大を進めることが示されましたが、市町村や学校の主体性と創意工夫を重視していく方向は、御指摘のとおりまさに本府が「京都式少人数教育」において目指してきた地域の実情に応じた教育を進めようとする方向性と一致するものであります。さらに、さきの答申で提言がありました「確かな学力」の基盤となる国語力の向上や、不登校総合対策の充実などの新たな課題につきましても、既に「まなび教育推進プラン」の中で検討を進めているところであります。
 府教育委員会といたしましては、将来を見据えた本府の義務教育のあり方について検討を進めるために、さきに「義務教育に係る政策研究会」を設置したところであります。この研究会におきましては、教職員の人事権や学級編制の弾力化など市町村や学校への権限委譲のあり方を初め、総合的な学習の時間、土曜日の活用方策など教育内容の改善方策、また教員の資質・能力の向上策などにつきまして御意見をいただくこととしておりまして、それらを踏まえて、市町村教育委員会とも十分連携しながら、地域の実情に即した本府義務教育のさらなる充実に努めてまいりたいと考えております。


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 警察署の再編整備について
   教育改革の問題につきまして若干申し上げておきたいと思います。これは中央教育審議会の鳥居泰彦会長でありますが、中央教育審議会答申を取りまとめた心境について実は次のように語っておられます。「45回、100時間を超える審議を通じてつくづく感じたのは、日本の国民、政治家で、教育の重要性についてわかっていない方がいかに多いことか」。さらに、「国の義務教育費負担分を地方税に移すべきかなどと、今どきこんな議論をしていることは情けないことだ」と表明をいたしております。さらに、2分の1から3分の1に引き下げたその決着したことについて、同会長は、「全体として子供に犠牲を強いる合意」との懸念を示されております。教育関係団体は一斉に反発、抗議をしておりますが、今後、このことによって教育の質を低下させたり、地域間格差が生じることがないように強く要望しておきたいと思います。本来ですと、教育長に一言御所見を伺いたいわけでありますけれども、時間の関係で、次に進みます。
 次に、警察本部長に、警察署の再編整備についてお伺いいたします。  本年4月から1行政区に1警察署を原則とした「警察署等の再編整備実施計画」に基づきまして、警察署等の再編がスタートしたところでございます。この計画に従い、舞鶴警察署、京丹後警察署が誕生し、さらに西京警察署、東山警察署へと名称が変更されるなど、着々と再編整備が行われているところであります。また、来年4月には京北警察署が大型交番へと再編され、京北警察署の管轄区域が右京警察署と園部警察署へと振り分けられることが予定されているところでもございます。この再編によりまして、これまで長年にわたり京北警察署の近隣で暮らし、安心・安全のよりどころとしていた住民の方々の間に不安感が高まっていることが十分に考えられるところでございます。
 そこで、京北警察署の再編に伴うこのような住民の方々の不安を解消するために、どのような対策をお考えになっているのか、まずお伺いをしておきます。
 次に、来年設置をされます京北交番について、地元住民の間では安心・安全のよりどころとしてどのような交番としてスタートするのかについて、大きな関心が寄せられております。そこで、現在検討されております京北交番の規模や果たすべき役割等についてお伺いをしておきます。
 警察署の再編整備は時代の流れ等から必要不可欠な対策として行われていることは、住民も十分に理解をしているところでございますが、ただ、警察署の再編は当然のこと、交番・駐在所の再編整備につきましても、不利益をこうむる府民から不満や不平が出ることのないように、住民の意見や要望に沿った真に安心・安全を図るためのものであることを強く要望しておきたいと思います。
 次に、中京警察署の新設についてお伺いいたします。東山警察署につきましては、旧洛東病院跡地への移転が住民から強く要望され、それを受けて、現在本府と警察本部で実現に向けた前向きな協議が行われているようでございます。そこで、1行政区に1警察署を原則とした警察署の再編整備の実現に向け、中京警察署の新設計画について、9月定例府議会において我が会派の水口洋議員が質問をいたしましたが、新設される中京警察署は文字どおり京都の顔ともなるべき警察署でございまして、新設場所については、交通の便がよく、中京区で暮らす住民が心から納得する場所に新設しなければならないと考えているところでございます。そう考えますと、JR二条駅周辺は主要道路に囲まれ、地下鉄、主要バス路線が集中し、中京区の中心地で、副都心として将来周辺の発展も見込まれ、中京警察署が新設される立地場所としては最適地と考えるところでございます。
 そこで、中京警察署の新設場所についてどのような場所がふさわしいと考えておられるのか、また、現在の取り組み状況について、お尋ねをしておきます。
 次に、木津警察署におきます運転免許の更新手続についてお伺いいたします。この件は、平成15年9月の定例議会におきまして、我が会派の伝宝和平議員が代表質問で取り上げましたが、今もなお木津警察署では、和束・笠置・南山城地区居住者等の遠隔地居住者のみについて運転免許の更新手続が行われております。他の木津警察署管内の住民は伏見の運転免許試験場において更新手続を行わざるを得ない状況にございまして、「木津警察署へ2回出向いてもいいから更新手続ができないものか」との声が出るほど、木津警察署での更新手続を強く求めておられます。
 本件のような事例は府内で木津警察署のみでございまして、府警としてどのような対応を考えておられるのか、お尋ねいたしますとともに、ぜひとも前向きに御検討いただき、早期の木津警察署での運転免許の更新手続が実現されますように強く要望いたしたいと存じます。どうかよろしく御答弁いただきたいと存じます。
 

(警察本部長)

 上田秀男議員の御質問にお答えをいたします。
 京北警察署の廃止後につきましては、事件・事故への迅速・的確な対応や住民の利便性に配意し、現在の警察署庁舎を大型交番として運用してまいりたいと考えております。また、廃止される京北警察署の管轄区域は、右京警察署、園部警察署のいずれからも離れたところとなるため、再編に先立って既に園部警察署、京北警察署の2つの駐在所へ新たなミニパトカーを配置したほか、園部警察署に今後パトカーを増車することとしております。さらに右京警察署と園部警察署との間で協定を締結させ、相互に管轄区域を越えてパトロールや事件・事故の発生に対応できるよう措置することとしております。
 次に、京北交番には交番所長を配置し、また、夜間・休日の警戒力を落とさないよう地域警察官について現状の体制を維持するとともに、交通事故捜査についても24時間の対応ができる体制をとることとしております。さらに、住民の利便を確保するため、運転免許更新等の運転免許事務や一定の道路使用許可について対応できるよう、担当者を配置することとしております。加えて、地域の交通安全活動に従事させるため、交通巡視員も配置することとしております。これらの措置によって、京北交番が住民の方々の安心・安全のよりどころとして機能するよう努めてまいりたいと考えております。
 中京警察署の新設についてでありますが、警察署等の再編により新設を予定しております中京警察署は、京都市内において唯一新設する警察署であります。中京区の場合、東西に長い地形であること、西部に人口の約7割が居住し、東部にオフィス街や繁華街を有すること、JR山陰線、地下鉄東西線・烏丸線、阪急京都線等が網の目状に通じ、複数のターミナル駅を有することなどの地理的特性があります。したがいまして、中京警察署の位置につきましては、こういった地理的特性を踏まえ、住民の利用に最も便利であるよう参酌しつつ、京都の中心街を管轄する警察署にふさわしい規模の用地の確保とロケーションを考慮する必要があると考えております。引き続き京都府を初めとする関係機関との情報交換、協議等を行い、建設用地について検討してまいる所存であります。
 木津警察署での運転免許証の更新手続についてでありますが、議員御指摘のとおり、かねてより木津警察署での更新手続を望む地元の方々からの御要望は承っているところであります。しかしながら、木津警察署の現状から、更新手続の対象者を拡大することは講習会場や駐車スペース、また、講習体制などの問題から困難でありました。このため、対象者の拡大に向けて講習会場の確保や講習体制の手当てなどについて、木津町を初めとする関係機関などと連携をしながら検討を進めてきたところであります。そうした中で、講習会場として使用可能な施設を確保するめどがついてまいりましたので、今後、講習体制などに見合った更新対象者の範囲を決定し、早期に御要望におこたえしたいと考えております。
   府警本部長の格別の御配慮に深く敬意を表しておきたいと思います。
 府警におきましては、本当に日夜安心・安全な治安行政にお取り組みをいただいておりまして、改めて感謝を申し上げます。
 警察署の再編整備を踏まえて、今大きく変わろうといたしております。従来にとらわれることなく、住民の利便性の確保に最大限の御配慮を要望いたしますとともに、より一層の治安行政に御尽力を賜りますようにお願いしておきたいと存じます。
 さて、来年の4月は、京都府知事選挙でございます。山田知事におかれましては、御就任以来、行財政改革を初め、新京都府総合計画の推進、SARSや鳥インフルエンザの感染症の危機管理に万全を期され、さらに平成16年台風23号の災害復旧など、今日までの行政手腕に私ども新政会は高く評価をしているところでございます。今後の4年間は、地方分権時代におきます行財政改革や「むすびあい、ともにひらく新世紀・京都」新京都府総合計画の総仕上げの時期に当たり、極めて重要な時局を迎えるのであります。「一人ひとりがいきいきと暮らせる社会の実現」と、260万府民の暮らしの安心・安全の確立、光り輝く京都府政の推進のため、山田知事におかれましては、今後一層の京都府政の発展のため御尽力を賜りますようにお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 御清聴まことにありがとうございました。

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